先日、とある企画が反響を呼んだ。インターネット上で絵師を集め、本気で描いたイラストをオンライン美術館で展示するという企画だ。
この企画を立ち上げたのは、きんぎょ花丸(きんぎょはなまる)氏。
「え、きんぎょなの?」と戸惑った方もいるかもしれないが、氏はただのきんぎょではない。
氏が制作したフリーゲーム「夕暮れ時、廃坑にて。」(2023年、ふりーむ!)では新人フリコン優秀賞を受賞した。また、同じくフリーゲーム「じじい村」(2023年、ふりーむ!)で独特な世界観を描くことに成功している(画像をタップするとゲームの配布サイトに移動できる)。
また、2024年にはVTuberとして活動を開始。数少ないきんぎょ系VTuberとして、ゲーム実況や作業配信等で人気を得ている。VTuber活動に関しては、こちらの記事を参照にしていただきたい。
更に、氏はイラストレーターとしてきんぎょを描くことを得意としており、きんぎょを題材とした漫画作品などを自身のサイトでいくつか公開している。
このように、きんぎょ花丸氏は数々のクリエイティブ活動に積極的な、いわゆる「クリエイターきんぎょ」なのである。そんなクリエイターきんぎょが立ち上げたのが今回のオンライン美術館である。しかし、オンライン美術館を開館するためには莫大な資金が必要となる。そこで、氏はキャンプファイヤーにてクラウドファンディングを実施することを決意。そして、2024月9月11日にクラウドファンディングが開始した。
そしてクラウドファンディング開始から少し時間がたち、現在(執筆時点)では32人から合計394,500円の支援が募っている。
というわけで、今回はきんぎょ花丸氏に今回の企画について直接質問をぶつけてみようと思う。すでにご存じの内容も多いかもしれないが、改めて内容を整理しながら読んでいただけるとありがたい。
フリーゲーム制作者、VTuber。今回の「オンライン美術館」の企画の立ち上げ金魚。
X (Twitter):@kingyohanamaru
HP:https://kghanamaru.com
聞き手:KopKouNet
─まず、この企画についての簡単な説明をお願いします。
この企画はオンライン上の3D空間に「本気を出して描いていただいた絵」を展示して美術館をつくる企画です。 企画の理念は「100%絵師様のための美術館」 。
魅力はなんといっても絵師さんにお好きな金額を提示していただき、その額をお支払いして絵を描いていただく点ですね。
また、主催者がいただくのは美術館に展示する権利のみで、所有権はいただかないため、描いていただいた絵はお好きにグッズ化や複製を販売したり…と絵師さん側が絵を自由な活動に使えるのも大きな魅力です。
─オンライン美術館を始めようと思ったきっかけを改めて教えて下さい。
私は人に絵を依頼して描いてもらうのが好きでハマってたんですよね。描いてもらった絵をお友達にプレゼントしたこともあります。
それをもっと大規模にできたら面白いのにな。と思ったのが理由の一つかな。
あと昔から美術館という空間が好きだったのも理由の一つ。特に個人所蔵のコレクションが置いてある美術館なんかに行くと、私もこんなコレクションがほしいな〜と憧れて見ていたものです。
そんなときに3D空間で誰でもギャラリーを作れる「ギャラリスト3D」というサイトを見つけて。URLにアクセスさえすればPCでもスマホでも鑑賞できるのを見て、これだ!と思いましたね。
─今回の企画の理念である「絵師さんに貢献できる美術館」についてですが、なぜご自身の作品を展示するのではなく絵師さんに貢献できるようにしたいという考えに至ったのでしょうか?
私は自分の作品を展示することにあまり興味がないんだと思います。やりたい気持ちはあるけれど、優先順位は今のところ低め。 それに私は絵を描くより観るほうが好きであることに気づいてしまったんですよね。一時期はイラストレーターを目指して上手くなろうと頑張っていましたが、全然楽しくなかった。 ああ、私は絵が好きだけど上手くなる過程を楽しめないんだな。ある意味そう吹っ切れられたのがよかったと思っています。
練習してた頃、絵でお金を稼げたらいいなと思っていたのですが、具体的に何をすればいいのか分からなかったんですよね。 きっと同じ悩みを持っている絵師さんは多い。だったら私が絵師さんの活躍の場を設けたらいいんじゃないかと思ったのです。「こんなイベントあればいいのにな」を形にしたのがこの企画です。
─この企画をクラウドファンディングで始めようと思ったきっかけを改めて教えてください。
単純にお金が足りないからというのもあります(笑)。
お金を集めたいというのが主な理由ですが、この企画自体を宣伝するためというもう一つの狙いがあります。 クラファンのページから、この企画を知る人もきっといると思うのです。「へえ、こんな面白いことやってるんだ。企画者のHPやX覗いてみるか」、となったらしめたもの。 支援をしたらなおさら動向が気になるはずです。
せっかく参加していただく絵師さんたちを宣伝できるよう、広報には力を入れたいなと思っています。
─広報についてですが、クラファン以外でどのようにこの企画を広めたいと考えていますか?
そうですね、こうしてメディア様にインタビューしていただくのも広報の一つだと考えています。SNSだとなかなかまとまった情報を発信するのは難しいので。こういった場で主催者の理念を理解していただけたら非常に嬉しいですね。
あとはSNSやYouTubeを使った広報になりますね。画像を積極的に活用し、目に留まりやすく拡散したくなるような内容を心がけて投稿していきたいと考えています。そのためには、活動をクリーンに伝えていくことと、想いを隠さず話して人々の共感を得ることが大切だと思っています。 この人なら応援してやってもいいかな、と思われるような発信者になりたいものです。
─YouTubeでいくと、きんぎょ花丸さんはVTuber活動をされていますよね。VTuber活動を通して企画を宣伝されていくのでしょうか?
私自身のVTuber活動を軸に広めていくわけではないのですが、「VTuberが作った美術館」としてアピールするのは話題性がありそうだなと考えています。
そういった意味では、VTuber活動をしていることは大きなメリットになりそうです。
また、これは美術館が開催されてからの話になりますが、館内は実況・配信もOKにするため、VTuberさんなどの配信者さんにご来館していただければ、配信によって視聴者層にもこの活動を広めることができるなと考えています。https://www.youtube.com/watch?v=FtutLA63Cp8
積極的に配信していただくために、サムネイル画像に使える素材も充実させる予定です。
このイラストを使用したい場合はこちらのポストを参照(当サイトでは許諾を得ています)。
─なるほど。いったん話をクラファンに戻しますね。
─今回、資金が不足しているためクラファンを立ち上げるとおっしゃっていましたが、クラファンで募集する金額はいくら位を予定していますか?また、どちらのクラファンサービスを使う予定ですか?
おおよそ200万円ですね…!キャンプファイヤーというサイトでクラファンを立ち上げる予定です。
─200万円ですか…。かなり大規模な企画になりますね。
そうなんですよ。まさかこんなに絵師さんからのご応募が来るとは思わなくて…。35人くらい集まるかなぁ…と思っていたのですが、まさかの86人の方からご応募をいただいて1。大きな額になって仰天してます(笑)。
ちなみに参加される絵師様たちの一覧はオンライン美術館の特設ページにて確認することができます。
クラファンを立ち上げるのは初めてなので、いったいどのくらいの人が私の企画に共感してご支援してくださるのか全く分からない状況です。
正直なことを申し上げますと、今回クラファンで集める金額はとても大きいので、集まるかなという不安はあります。ですがやってみることでしか結果はわからない。だからできる限りのことをやり尽くすのみだなと思っています。
お金をもらうからには責任を持って企画を遂行する、その覚悟はあります。
─最後に、一言お願いします。
美術館と聞くともしかしたら難しく感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ肩の力を抜いて気軽にご来館いただきたいです。入場無料ですし。 飲み物片手にくつろぎながら鑑賞するのがおすすめです!ホッと安心している時こそ真に作品と向き合えると思うからです。 ぜひ自分のペースで、じっくりとお好きなように鑑賞してくださいね。
100%絵師のための美術館。かつネットでいつでもどこでも鑑賞できる美術館。なお、オンライン美術館のクラウドファンディングは10月31日まで実施されている。500円から気軽に支援できるので、この記事を読んで支援したいと思った読者の皆さんは是非このクラウドファンディングに支援してみてはいかがだろうか。
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関連リンク
【特設サイト:はなまるアートミュージアム】
https://onlinemuseum.vmade.jp
【主催者サイト:花丸アトリエ】
https://kghanamaru.com
【主催者X(Twitter):きんぎょ花丸】
https://x.com/kingyohanamaru
【主催者YouTube:きんぎょ花丸】
https://youtube.com/@kingyohanamaru
- 執筆時点での情報。 ↩︎
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